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断根(だんこん)

断根
断根(だんこん、苗の周りにある根を部分的に切断する技術)

断根の概要

断根(だんこん)とは、苗の周りにある根を部分的に切断する農業技術を指します。この作業によって、苗は新たな根を発生させ、移植後の根付きが良くなり、成長が促進されます。断根は特に、移植が必要な作物や果樹、花卉(かき)類で多用されます。ブロッキングとは、似た技術ですが、目的や実施時期が異なる点があります。同意語として「根切り」があります。

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断根とブロッキングの違い

断根とブロッキングは、いずれも苗の根を切断する作業ですが、主にその目的と実施時期に違いがあります。

 

  • 断根の目的と手法: 断根は、苗の根を部分的または全体的に切断することで、新しい根の発生を促進し、移植後の根付きや成長を助けることを目的としています。断根は、苗がある程度成長した段階で行われ、移植前の苗に対して行われることが多いです。
  • ブロッキングの目的と手法: 一方、ブロッキングは育苗後期に行われ、苗の株間に切れ目を入れて根を切断する作業です。ブロッキングは主に、苗の生育を一時的に抑制し、移植のタイミングを調整したり、根の発達を促して移植後の活着(かっちゃく)を良くすることが目的です。

 

断根の詳細説明

断根は、苗の根を部分的に切断することで、新しい根の発生を促し、移植後の成長を促進するための作業です。苗が一定の成長段階に達した後、根が再び発達する際に強くて健康な根系を形成させることを目的としています。断根には、部分的に根を切断する「部分断根」と、根全体を均等に切断する「全体断根」の2つの方法があります。

 

断根の目的は、苗が移植後に早く土壌に定着できるようにすることです。これにより、苗が栄養と水分を効率よく吸収できるようになり、移植後の生育が安定します。また、断根によって苗の成長が一時的に抑制されるため、移植時期の調整が可能になります。これにより、気候や作業スケジュールに合わせた柔軟な栽培管理が可能です。

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断根の役目と役割

断根には、以下のような役目や役割があります。

  • 根張りの促進: 根を切断することで、新たな根が発生しやすくなり、移植後の根張りが強化されます。これにより、苗がしっかりと土壌に定着し、順調に成長します。
  • 移植時期の調整: 断根によって苗の成長が一時的に抑制されるため、移植時期を柔軟に調整でき、気候条件や作業スケジュールに合わせた栽培が可能になります。
  • 移植後の成長促進: 強化された根張りにより、移植後の活着率が高まり、成長が促進され、収穫量の向上につながります。
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断根のメリットと課題

メリット

  • 新根の発生促進: 断根によって根が切断されると、苗は新しい根を多く発生させ、根系が強化されます。これにより、移植後の成長が安定し、健康な苗が育成されます。
  • 移植時のダメージ軽減: 強い根系を持つ苗は、移植後に早く土壌に定着し、植え傷みが少なくなります。これにより、移植の成功率が高まります。
  • 農作業の効率化: 断根により移植のタイミングを調整できるため、農作業のスケジュールを最適化し、効率的に作業を進めることができます。

課題

  • 作業の手間と技術の必要性: 断根作業は手間がかかり、正確な技術が求められます。誤った方法やタイミングで行うと、苗にダメージを与える可能性があります。
    対処方法: 適切な技術を習得し、十分な経験を持った作業者が行うか、事前にトレーニングを行うことが重要です。
  • 苗のストレス: 過度な断根や不適切な作業が行われると、苗に過剰なストレスがかかり、生育が阻害されることがあります。
    対処方法: 苗の状態をよく観察し、断根の深さやタイミングを慎重に選定することで、苗への負担を最小限に抑えることが必要です。
  • 作業コストの増加: 手間がかかる断根作業は、大規模な農場ではコストが増加する要因となる可能性があります。
    対処方法: 作業を効率化するための機械化や、他の作業と並行して行うことでコストを抑える工夫が求められます。
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