就眠運動(しゅうみんうんどう)
就眠運動（しゅうみんうんどう）とは、植物の葉が夜間に閉じたり下垂したりする動きを指します。これは植物が昼夜のサイクルに応じて行う日周期運動の一つであり、昼間は葉を広げて光合成を行い、夜間は葉を閉じて水分の蒸発を抑えるなどの目的があります。就眠運動は、特定のホルモンや光の変化に応じて調節される植物の生理現象で、マメ科植物や観葉植物などでよく見られます。
就眠運動の概要
就眠運動（しゅうみんうんどう）は、植物が昼夜のリズムに応じて葉や花の位置を変える運動です。この運動は、植物の内部時計と外部の光や温度の変化によって制御されます。代表的な例として、マメ科の植物の葉が夜になると垂れ下がる現象があります。これは葉の細胞内の水分バランスが変化し、葉が閉じることでエネルギーの消費を抑えたり、葉の表面を小さくして夜露の影響を減らしたりするためです。
この運動は、オーキシンやフィトクロムといった植物ホルモンや光受容体の働きによって調整されます。昼間に光を受けると、光受容体が活性化され、特定のホルモンが合成されます。これにより、細胞の伸長や収縮が引き起こされ、葉や花の位置が変化します。夜間になると、これらのホルモンのレベルが低下し、葉や花は元の位置に戻ります。
就眠運動は、植物が環境に適応するための重要な仕組みであり、光合成の効率を高めたり、捕食者からの保護を助けたりします。この現象は多くの植物で見られ、進化の過程で様々な環境に対応するために発達してきたと考えられています。
同意語としては「昼夜運動」があります。
就眠運動の種類と特性
就眠運動にはいくつかの種類と特性があります。
- 葉の閉じる運動：夜間に葉が閉じることで、水分の蒸発を抑えます。マメ科植物でよく見られます。
- 葉の下垂運動：葉が夜間に下垂することで、エネルギーの消費を抑える効果があります。観葉植物などで観察されます。