塩類集積(えんるいしゅうせき)
塩類集積(えんるいしゅうせき)とは、灌漑や肥料の使用などにより、土壌中に塩分が過剰に蓄積する現象を指します。塩分の濃度が高くなると、植物が水分や栄養分を正常に吸収できなくなり、成長が阻害されることがあります。同意語としては、「塩害(えんがい)」や「土壌塩類化(どじょうえんるいか)」があります。
原因
- 過剰な灌漑：灌漑による水分供給が過剰になると、土壌中の塩分が洗い流されずに蓄積します。
- 肥料の使用：特に化学肥料を多量に使用すると、土壌中の塩分濃度が上昇します。
- 排水不良：排水が不十分だと、塩分が土壌に蓄積しやすくなります。
- 乾燥気候：乾燥地域では、蒸発により塩分が表層に集まりやすくなります。
影響
- 植物の成長阻害：塩分が多いと植物が必要な水分や栄養を吸収できなくなり、成長が遅れたり停止したりします。
- 葉の黄変や枯死：葉が黄色く変色し、最終的には枯れてしまうことがあります。
- 根のダメージ：高塩分濃度の土壌は、植物の根にダメージを与えます。
対策
- 適切な灌漑管理：必要な量だけの灌漑を行い、過剰な水分供給を避ける。
- 肥料の適量使用：肥料を適量に抑え、土壌中の塩分濃度を管理します。
- 排水の改善：排水性の良い土壌環境を整え、塩分の蓄積を防ぎます。
- 塩分の洗い流し：必要に応じて、大量の水を用いて塩分を洗い流す方法も有効です。