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抽だい・抽苔・抽薹(ちゅうだい)

抽だい・抽苔・抽薹
ネギ坊主

抽だい(ちゅうだい・抽苔・抽薹)の概要

抽だい・抽苔・抽薹(ちゅうだい)とは、ハクサイやダイコンなどのアブラナ科野菜が一定の低温を経験した後、成長点が花芽をつけ、最終的に開花する現象を指します。この現象は「薹立ち(とうだち)」とも呼ばれます。植物が花を咲かせるためにエネルギーを使うため、抽だいが始まると葉や根の品質が低下し、商品価値がなくなります。採種を目的とする場合を除き、農業においては避けるべき現象です。

抽だいの詳細説明

抽だいとは、植物が成長過程で花芽を形成し、開花する現象を指します。特にハクサイ、ダイコン、キャベツなどのアブラナ科の野菜においてこの現象がよく見られます。抽だいの原因は、主に以下の要因によります。

  • 低温: 一定期間の低温を経験することで、植物は花芽を形成するシグナルを受け取ります。これは冬を越えるための適応メカニズムです。
  • 日長: 日が長くなると、植物は花芽形成を促進します。特に春になるとこの影響が顕著になります。
  • 栄養状態: 適切な栄養が供給されていない場合、ストレス反応として花芽形成が促進されることがあります。

抽だいの特徴、課題

抽だいには次のような特徴や課題があります。

特徴

  • 植物が一定の環境条件を経験することで起こる自然現象です。
  • 花芽が形成されると、植物は栄養を花や種子の生産に集中します。

課題

  • 商品価値の低下: 抽だいが始まると、葉や根の部分が硬くなり、品質が低下します。
  • 収量の減少: 抽だいによって、収穫量が減少します。
  • 管理の難しさ: 抽だいを防ぐためには、適切な温度管理や日長管理が必要です。

補足:「抽苔・抽薹」という言葉に「苔」「薹」という文字が使われる理由

  • 成長のイメージ:苔は湿った環境で茎や葉が密集して育つ様子が特徴的です。この茎が伸びる様子が「抽苔」の「茎が急激に伸びる」現象と関連付けられています。苔の繁茂する様子は、植物が急成長するイメージと重なります。
  • 使用される漢字の違い:「抽苔」と「抽薹」は、使用される漢字が異なるだけで基本的には同じ現象を指しています。「薹」は「茎」を直接意味するのに対し、「苔」は草が上に伸びる様子を含意しています。これにより、「抽苔」も「抽薹」も植物の茎が急速に伸びることを表す言葉として使用されますが、漢字の選択にはそれぞれの成長様式や形態が反映されています。
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